日本佛教学会第93回(2024年)学術大会
「仏教と病」

日程情報

日時2024年9月28日(土)・29日(日)9:00~
開催校広島大学
研究発表2024年9月28日(土)・29日(日)9:00~
総会9月28日(土)
記念撮影9月28日(土)
理事会9月28日(土)・29日(日)

大会趣旨文

 第92回(2023年)・第93回(2024年)の2年にわたるテーマは「仏教と病」である。
 近年、日本佛教学会では「人間とは何か」「仏教と日本」「衆生 いのちあるもの」を2年間の学術大会のテーマとして、各々が有する仏教学の研究領域の中で研鑽を深め、現代の諸課題に立ち向かう学問としての姿勢・方向性を探ってきた。
 現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、日本はもとより世界中の人々に身体的・心的・精神的な様々なダメージを与え、生活・経済・教育などあらゆる分野にその影響がおよんでいる。言い換えれば、人類が自らの生活や社会基盤を根底から脅かされる状況に直面しているといえよう。あらためて世の中全体が「病」への関心・畏怖を充分に認識した昨今である。
 今回のテーマである「仏教と病」は、このような現代社会が今まさに直面している重大な課題を念頭において提起されたものである。そもそも、「病」は釈尊出家動機の四苦の一つであり、爾来、各仏教経典に様々な形で「病」が頻出し、「病」に対する考え方・対処法などが記されている。また、インドや中国、朝鮮半島や日本はもとより、仏教伝播地域における祖師・先学によって記された「病」に対する遺文・書簡・論述なども多数残されており、そこには未曾有の「病」に対する仏教の考え方や対処法、あるいはその実例や苦悩などが諸処に記載されている。これらに直面する課題に対して、何らかの解決策を見いだせるヒントがあるのではないかと考える。
 このように、「病」は仏教興起以来、必定のテーマとして先師・先学によって、人間本来のあり方・仏のあり方を追求する際はもとより、「病」そのもの、その対処・対応法などが探求されてきた。仏教が「病」と向き合うことは、仏教研究における根本命題ともいえるだろう。
 近年、科学技術の発展により最先端の医療やAIが目覚ましい進歩を遂げているが、「病」そのもの、あるいは「病」に関連して発生する様々な事象に対して、全てに有効であるとは言い難い。「病」について、釈尊以来考究されてきた仏教の知見は、今こそ生かされるべきではないだろうか。
 今回、「仏教と病」の定義が仏教学の中で確認され、教理的・歴史的・社会的、はたまた医療・福祉など様々な分野から「仏教と病」を見つめ直し、現代における「病」の課題に仏教学が如何に考え、如何に立ち向かう学問であるかという姿勢・方向性を見いだせられたならば大いなる成果といえよう。
 この2年間、一貫した連続プログラムとしてこの「仏教と病」を提起し、活発かつ有意義な発表・討論が交わされることにより、学界はもとより人類に仏教が貢献できることを証明できることを衷心より願うものである。

これまでの学術大会

大会開催校
2024年度学術大会 「仏教と病」広島大学
2023年度学術大会 「仏教と病」駒澤大学
2022年度学術大会 「衆生 いのちあるもの」佛教大学
2021年度学術大会 「衆生 いのちあるもの」大正大学
2019年度学術大会 「仏教と日本 ―他文化・他思想との交流―」東洋大学
2018年度学術大会 「佛教と日本 ―「日本」的な仏教の特性―」同朋大学
2017年度学術大会 「人間とは何か ―人間定義の新次元ヘ―」 ―仏教から見る「人間」定義の新次元―東北大学
2016年度学術大会 「人間とは何か ―人間定義の新次元へ―」 ―仏教における「人間」定義の諸相―相愛大学
2015年度学術大会 仏教における実践を問う ―社会的実践の歴史と展望―東京大学
2014年度学術大会 仏教における実践を問う ―社会的実践の理念―種智院大学
日本佛教学会学術大会