日本佛教学会第92回(2023年)学術大会
「仏教と病」
日程情報
日時 | 2023年9月30日(土)・10月1日(日)9:00~ |
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開催校 | 駒澤大学 |
研究発表 | 2023年9月30日(土)・10月1日(日)9:00~ |
総会 | 9月30日(土)16:10~ |
記念撮影 | 9月30日(土)16:00~ |
理事会 | 9月30日(土)12:00~13:00 |
大会趣旨文
第92回(2023年)・第93回(2024年)の2年にわたるテーマは「仏教と病」である。
近年、日本佛教学会では「人間とは何か」「仏教と日本」「衆生 いのちあるもの」を2年間の学術大会のテーマとして、各々が有する仏教学の研究領域の中で研鑽を深め、現代の諸課題に立ち向かう学問としての姿勢・方向性を探ってきた。
現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、日本はもとより世界中の人々に身体的・心的・精神的な様々なダメージを与え、生活・経済・教育などあらゆる分野にその影響がおよんでいる。言い換えれば、人類が自らの生活や社会基盤を根底から脅かされる状況に直面しているといえよう。あらためて世の中全体が「病」への関心・畏怖を充分に認識した昨今である。
今回のテーマである「仏教と病」は、このような現代社会が今まさに直面している重大な課題を念頭において提起されたものである。そもそも、「病」は釈尊出家動機の四苦の一つであり、爾来、各仏教経典に様々な形で「病」が頻出し、「病」に対する考え方・対処法などが記されている。また、インドや中国、朝鮮半島や日本はもとより、仏教伝播地域における祖師・先学によって記された「病」に対する遺文・書簡・論述なども多数残されており、そこには未曾有の「病」に対する仏教の考え方や対処法、あるいはその実例や苦悩などが諸処に記載されている。これらに直面する課題に対して、何らかの解決策を見いだせるヒントがあるのではないかと考える。
このように、「病」は仏教興起以来、必定のテーマとして先師・先学によって、人間本来のあり方・仏のあり方を追求する際はもとより、「病」そのもの、その対処・対応法などが探求されてきた。仏教が「病」と向き合うことは、仏教研究における根本命題ともいえるだろう。
近年、科学技術の発展により最先端の医療やAIが目覚ましい進歩を遂げているが、「病」そのもの、あるいは「病」に関連して発生する様々な事象に対して、全てに有効であるとは言い難い。「病」について、釈尊以来考究されてきた仏教の知見は、今こそ生かされるべきではないだろうか。
今回、「仏教と病」の定義が仏教学の中で確認され、教理的・歴史的・社会的、はたまた医療・福祉など様々な分野から「仏教と病」を見つめ直し、現代における「病」の課題に仏教学が如何に考え、如何に立ち向かう学問であるかという姿勢・方向性を見いだせられたならば大いなる成果といえよう。
この2年間、一貫した連続プログラムとしてこの「仏教と病」を提起し、活発かつ有意義な発表・討論が交わされることにより、学界はもとより人類に仏教が貢献できることを証明できることを衷心より願うものである。
2023年9月30日(土)
発表題目 | レジュメ | 発表者 | コメンテーター | 司会 | |
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セッション1 | |||||
9:00 - 9:20 | 病める維摩の方便と慈悲 ―新型コロナに二度罹患した体験を踏まえて―
〈キーワード〉:「菩提心」、「病」、「共感疲労」 | [ PDF ] | 梅田 愛子 (東洋大学) |
鈴木 隆泰 (東京大学) |
則武 海源 (立正大学) |
9:20 - 9:40 | 良薬としての『法華経』
〈キーワード〉:「『法華経』」、「日蓮」、「『富木入道殿御返事』」、「『中務左衛門尉殿御返事』」 | [ PDF ] | 岡田 文弘 (身延山大学) |
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9:40 - 10:00 | 『金光明経』における病―疫病に関するアーユルヴェーダ文献との比較―
〈キーワード〉:「『チャラカ・サンヒター』」、「共業」、「王権」 | [ PDF ] | 日野 慧運 (武蔵野大学) |
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10:00 - 10:30 | コメント・質疑応答 | ||||
10:30 - 10:50 | 休憩 | ||||
セッション2 | |||||
10:50 - 11:10 | 法然における現世の捉え方―病と現当の両益に注目して―
〈キーワード〉:「法然」、「死生観」、「現世利益」 | [ PDF ] | 齋藤 蒙光 (佛教大学) |
石川 琢道 (大正大学) |
蓑輪 顕量 (東京大学) |
11:10 - 11:30 | 法然と病
〈キーワード〉:「瘧(おこり)」、「三昧発得」、「『西方指南抄』」、「醍醐本『法然上人伝記』」、「当麻曼荼羅」、「浄土イメージ」 | [ PDF ] | 加藤 善朗 (京都西山短期大学) |
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11:30 - 12:00 | コメント・質疑応答 | ||||
12:00 - 13:00 | 休憩 | ||||
セッション3 | |||||
13:00 - 13:20 | 「根本説一切有部律」に説かれる病者にまつわる諸規定について
〈キーワード〉:「根本説一切有部律」、「治療」、「規定緩和」、「遺産相続」 | [ PDF ] | 岸野 良治 (京都大学) |
戸次 顕彰 (大谷大学) |
藤谷 厚生 (四天王寺大学) |
13:20 - 13:40 | 南山律宗における病悩への対処について
〈キーワード〉:「南山律宗」、「看病法」、「戒体」 | [ PDF ] | 山本 元隆 (駒沢女子大学) |
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13:40 - 14:10 | コメント・質疑応答 | ||||
14:10 - 14:30 | 休憩 | ||||
セッション4 | |||||
14:30 - 14:50 | 親鸞における学仏道と病への視座
〈キーワード〉:「生死無常」、「鬼神観」、「顕浄土方便化身土文類六末」、「真宗の救済観」 | [ PDF ] | 藤元 雅文 (大谷大学) |
鍋島 直樹 (龍谷大学) |
細田 典明 (佛教大学) |
14:50 - 15:10 | 『善光寺縁起』の疫癘表現―『請観音経』から『善光寺如来絵伝』へ―
〈キーワード〉:「『善光寺縁起』」、「『請観音経』」、「『善光寺如来絵伝』」 | [ PDF ] | 吉原 浩人 (早稲田大学) |
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15:10 - 15:40 | コメント・質疑応答 | ||||
15:40 - 16:00 | 休憩 | ||||
16:00 - 16:10 | 記念撮影 | ||||
16:10 - 16:40 | 総会 |
2023年10月1日(日)
発表題目 | レジュメ | 発表者 | コメンテーター | 司会 | |
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セッション5 | |||||
9:00 - 9:20 | アーユル・ヴェーダと心の病 -三大医書による比較検討-
〈キーワード〉:「アーユル・ヴェーダ三大医書」、「心の病」、「生理学と呪術」 | [ PDF ] | 長田 晋一 (九州大学) |
岩崎 陽一 (名古屋大学) |
根本 裕史 (広島大学) |
9:20 - 9:40 | 瑜伽行唯識派における病
〈キーワード〉:「瑜伽行派」、「病」、「病苦」 | [ PDF ] | 伊藤 瑞康 (立正大学) |
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9:40 - 10:10 | コメント・質疑応答 | ||||
10:10 - 10:30 | 休憩 | ||||
セッション6 | |||||
10:30 - 10:50 | 疾障と妙薬―『釈摩訶衍論』の「因縁」論―
〈キーワード〉:「機根と教法」、「因縁」、「不二摩訶衍法」 | [ PDF ] | 早川 道雄 (種智院大学) |
加納 和雄 (駒澤大学) |
堀内 規之 (大正大学) |
10:50 - 11:10 | 真言宗における疫病終息の祈りについて | 佐藤 隆彦 (高野山大学) |
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11:10 - 11:30 | 密教と病
〈キーワード〉:「密教」、「病気」、「現世利益」 | [ PDF ] | 種村 隆元 (大正大学) |
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11:30 - 12:00 | コメント・質疑応答 | ||||
12:00 - 13:00 | 休憩 | ||||
セッション7 | |||||
13:00 - 13:20 | 『日本洞上聯燈録』における病の諸相
〈キーワード〉:「嶺南秀恕」、「『日本洞上聯燈録』」、「病」 | [ PDF ] | 岩永 正晴 (駒澤大学) |
龍谷 孝道 (花園大学) |
安藤 嘉則 (駒沢女子大学) |
13:20 - 13:40 | 近世洞門僧における病との向き合い方
〈キーワード〉:「近世仏教」、「曹洞宗」、「看病」 | [ PDF ] | 菅原 研州 (愛知学院大学) |
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13:40 - 14:10 | コメント・質疑応答 | ||||
14:10 - 14:30 | 休憩 | ||||
セッション8 | |||||
14:30 - 14:50 | 病者に向き合う仏教者の養成―龍谷大学「臨床宗教師研修」における試み―
〈キーワード〉:「臨床宗教師研修」、「臨床牧会教育」、「生育歴」 | [ PDF ] | 打本 弘祐 (龍谷大学) |
吉水 岳彦 (大正大学) |
後藤 明信 (九州龍谷短大学) |
14:50 - 15:10 | 病苦を抱えた場合における仏教的資源の可能性
〈キーワード〉:「病苦」、「仏教的資源」、「仏の加護」、「吐露する場」 | [ PDF ] | 西岡 秀爾 (花園大学) |
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15:10 - 15:40 | コメント・質疑応答 |