日本佛教学会第95回(2026年)学術大会
「仏教と性/ジェンダー:差別のない社会をめざして」
日程情報
| 日時 | 2026年9月1日(火)~9月2日(水) |
|---|---|
| 開催校 | 愛知学院大学 |
| 会場 | 愛知学院大学 名城公園キャンパス |
大会趣旨文
近年、日本社会においては、ダイバーシティー(多様性)が重視され、ジェンダー平等 や、LGBTQ に代表される性的マイノリティーの権利保障が大きな課題として認識される ようになった。日本のジェンダーギャップ指数は下位に低迷しており、いまだ多くの差別 や解消されるべき問題が見られるものの、それらを克服するためのさまざまな取り組みが 行われ、広がりを見せている。
このような動きは、仏教界においても徐々に見られるようになってきている。全日本仏 教会やいくつかの宗派、寺院においては、ジェンダーやLGBTQ をテーマにしたシンポジ ウム等が開催され、ジェンダーバランスなどについての実態調査が行われるなど、さまざまな活動が見られるようになってきた。
一方、仏教学界の動きは鈍いと言わざるを得ない。欧米の学界では、仏教学に限らず、 発表者の選定や役員の選出などにおいてジェンダーバランスを考慮することは常識である。国内に目を向けても、隣接する日本哲学会や日本宗教学会においては、男女共同参画 に関する委員会やワーキンググループが設置されるなど、問題解決に向けた組織的な取り組みが見られる。日本の仏教学界でも、ジェンダーや性的マイノリティーに関する調査研究が行われるようになり、女性役員の数も徐々にではあるが増えてきている。そうである にもかかわらず、学協会が組織的なレベルで問題解決に取り組んでいるかと問われれば、残念ながら不十分であると言わざるを得ない。それは長年、理事の男女比が40:0の本学会も例外ではない。
ふりかえれば1990年前後には、仏教における性差別や、仏教と女性をテーマとする研究 が多く発表された。本学会でも第60回大会(1990年)で「仏教と女性」をテーマに学術大 会が開催され、通常の研究発表に加え、特別企画としてシンポジウムが行われた。そこで は「仏教は本質的に平等思想であるから、差別を行わない(はずだ)」という主張と、実態として性差別等が行われ、温存されてきた歴史や現状への告発とが平行線をたどっていた。その後、歴史研究を中心に研究の蓄積は進んでいるが、この平行線は解消されたとは 言えないと思われる。
仏教学者として性やジェンダーをめぐる現代的な課題に取り組むためには、まずは伝統 や現状を自己弁護に陥ることなく批判的に捉えたうえで、仏教精神に根ざした平等や多様 性を社会的に実現するための議論を喚起することが必要ではなかろうか。そのためにも本 学会では、第94回(2025年)・第95回(2026年)の2年にわたり「仏教と性/ジェンダー:差別のない社会をめざして」をテーマとして設定し、研究発表と議論の場としたい。